X-02 ワイバーン
X-02 ワイバーン(X-02 Wyvern)又はX-02A ワイバーンは旧エルジア共和国のエルジア航空宇宙局(EASA)が開発した海軍・空軍両用ステルス艦上戦闘機である。
また、派生型である空軍向けの戦闘攻撃機のX-02Sが開発された。
開発の経緯
当初はエルジア海軍の艦上戦闘機の更新機として遅くとも1980年代には開発が開始されたが、空軍の更新機開発要請もあったことから、「海軍・空軍両用新型戦闘機」として設計がまとめられ、1987年1月22日にEASAが基本設計図を完成させているが、実機の開発には遅延が生じていた模様である[注 1]。
遅くとも1998年には開発が開始されたが、2003年の大陸戦争の勃発し、隕石迎撃砲「ストーンヘンジ」の軍事転用により大陸の制空権を確保したことから、エルジア軍内部でコストを重視からX-02の開発よりもストーンヘンジの維持と既存機の量産を優先させる否定派が台頭。これに対し、ストーンヘンジに頼り切った防空体制は、航空機による制空能力の弱体化につながるという軍と開発メーカーとで構成された推進派が対立。議会での論争は紛糾し、開発は事実上停止した。
しかし2005年4月2日、独立国家連合軍(ISAF)によるストーンヘンジ破壊作戦「ストーンクラッシャー作戦」でメビウス1によってストーンヘンジが破壊されると状況は一変する。ストーンヘンジ破壊後、エルジアは勢力を縮めることとなり、これを機にX-02の開発が再開され、急ピッチで進めたが、すでに資金や物資の不足で開発に支障をきたすようになり、ストーンヘンジ破壊から約5ヶ月半後の9月19日、完成寸前というところで終戦を迎える事となった。
特徴
エンジン
エンジンはアフターバーナー付きで推力偏向ノズルを搭載したERG-1000を2基搭載。ノズルは試験的なものであり本格的にシステムには組み込まれていない。またエンジン周辺に取り付けられたベントラルフィンからもわかるようにフライトシステムには改良の余地が残されている。
アビオニクス
機首に既存のAESAレーダーより強力なレーダー波を発信可能なガリウムナイトライドAESAレーダーを搭載しており、そのパワーで強引に敵ステルス機を探知する傍ら、機体各部に装備されたコンフォーマル・アレイ・レーダーを駆使し、友軍が発信したレーダー波が敵ステルス機によって別方向へ跳ね返された場合でも、他のX-02がその電波を拾うことが出来れば敵ステルス機の位置を三角測量で割り出すマルチスタティック・レーダーとしても機能することが可能となっている。
武装
ステルス性を発揮するため、全兵装がウェポンベイに搭載される。大型兵装の複数搭載も可能な大型ウェポンベイを機体中央部に1箇所、短距離AAM用にエンジンナセルの中間下部に左右それぞれ1箇所の計3箇所に搭載される。
対空兵装としては機体中央部ウェポンベイにX-02用に開発された射程200km級の長距離空対空ミサイル ダークファイアを4発[注 2]、もしくは高機動ミサイルとしてAIM-9X サイドワインダー、R-73 アーチャーの何れかを2発搭載可能。
エンジンナセルの中間下部左右2箇所の短距離ミサイル専用ウェポンベイには、AIM-9M 又はAIM-9X サイドワインダー、パイソン4、AIM-132 ASRAAMの何れかを2発搭載可能。
対地兵装に関しては対空兵装と比べ開発の手が回らず、 通常爆弾と地上攻撃用に暫定的にディスペンサーの搭載が可能になっている。 これは新型の空対地ミサイルの開発が遅れていた為、通常の小型爆弾の散布のみとなっているので使い勝手が悪く、テストパイロットの間からも評判の悪いものだった。なお新型の高機能空対地ミサイルの他、AGM-65 マーベリックの何れかを4発搭載可能である。
戦歴
2006年の自由エルジア蜂起で、自由エルジアは国連が管理していた施設を襲撃し、完成していたX-02を4~6機を奪取。自由エルジア制圧作戦「カティーナ作戦」でホワイトバレー湾の本拠地を襲撃したISAF空軍のメビウス1の対して投入したが、全機撃墜された。
またオーシアのノースオーシア・グランダーI.G.は同社のコスト削減開発技術で少なくとも1機のX-02を製造し、ユークトバニア軍に引き渡された。この機体は2010年の環太平洋戦争で撃墜され、オーシア国防空軍のサンド島空軍基地に収容され、人目を避けるようにシートで覆われ、格納庫の天井から吊り下げられて保管されていた。これは、一部部品にグランダー社のロゴが入っており、「グランダー社が敵国ユークトバニアに兵器を密輸している」という事実が告発報道される可能性をベルカによる戦争推進扇動工作の影響を受けていたオーシア政府関係者や軍高官が恐れたからと思われる。
環太平洋戦争終結後の2011年にオーシアのノヴェンバー国際スタジアムで開催された戦後初の航空式典でADFX-01、ADF-01と共に展示飛行を行った。
派生型
可変翼機構廃止型
空軍単独向けとして検討された機体。可変翼を廃止することにより、主翼に燃料タンクを搭載。
オーシアと共同で開発した空軍単独向けの戦闘攻撃機。上記の機体とは違い、可変翼機構は残しているが、大幅な改修を行った。
仕様
諸元
- 乗員:1名
- 全長:21.84m
- 全幅:18.3m(外翼展開時)、11.54m(外翼収納時)
- 全高:4.36m(外翼展開時)、3.42m(外翼収容時)
- 自重:16,800kg
- エンジン:ERG-1000×2
性能
- 最大速度:マッハ2.5+
- 戦闘行動半径:1050km
武装
固定武装
- 航空機関砲×1
対空兵装
- ダークファイア×4(胴体下ウェポンベイ)
- R-73 アーチャー×2(〃)
- AIM-9X サイドワインダー×2(胴体下ウェポンベイに2発 又は エンジンナセル中間下部ウェポンベイに2発)
- AIM-9M サイドワインダー×2(エンジンナセルの中間下部ウェポンベイ)
- パイソン4×2(〃)
- AIM-132 ASRAAM×2(〃)
対地兵装
- 小弾頭ディスペンサー(胴体下ウェポンベイ)
- 高機能対地ミサイル×4(〃)
- AGM-65 マーベリック×4(〃)
- 無誘導通常爆弾
参照
脚注
- ↑ 開発開始とされた1998年までの間に1994年の小惑星ユリシーズの落下の発表や1997年のユージア大陸紛争が起きているため、これらの影響がある可能性もある。
- ↑ ACE COMBAT INFINITYでは6発装備になっている。
出典